正月飾り 掛け蓬莱

正月飾りは神さまをお迎えする形の表れであり、神さまを迎える依代(よりしろ)として、古来より常緑樹が用いられてきました。かつては榊、樫が使われてきましたが、平安時代頃に松、鎌倉時代に竹が使われるようになったといわれています。冬にも葉の色を変えない常磐木(ときわぎ)の緑は、人々に生気を与えるものとして尊ばれ、神さまが降臨する神聖なものと考えられてきました。
蓬莱飾りは、三方上に米を盛り、熨斗鮑(のしあわび)、伊勢海老、搗栗(かちぐり)、昆布、穂俵、串柿、橙(だいだい)などを飾った新年のお祝いものです。また、蓬莱台は、神仙が住むという蓬莱山の形を松竹梅や亀甲、尉姥(じょうば)などで作った飾りです。関西では、これを成長を願って床柱などに飾る風習があり、掛け蓬莱といいます。この正月飾りは、長寿を祈り、日陰の葛(かずら)が長ければ長いほど上品とされ、関西の山に行くと長さ二〜三メートルになる日陰の葛が這いつたう様が見られます。その様を尾長鶏の長い尾に模して不老長寿を願う地方もあります。

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