絲原家の正月行事 3

終戦後、農地改革で多くの山林、田畑を失ったにもかかわらず、優れた美術工芸品を今に残すのも、絲原家の当主が代々、和歌・俳諧・茶道などの風雅の道を極められていた証しです。
現当主十四代義隆氏は先代からの山林業を受け継ぎ、島根県森林組合連合会長を務めるなど多くの公職にあります。そして昭和55年には、先代の遺志を生かして、たたら資料・家具調度品・美術工芸品の散逸を防ぎ、保存するために、長男徳康氏、次男安博氏の協力を得て、絲原記念館を開設しました。
冬季には雪深い山あいの地に建つ絲原家は、造りも頑丈で、外部からの圧力にもめげず、長い間の風雪の歴史にたえてきました。絲原家本邸が松江藩の本陣であったため、歴代藩主からの拝領品も多く、特に不昧(ふまい)公ゆかりの茶道具は、質・量ともに豊富です。また、代々の当主が多くの文人墨客と交流したため、その来遊もあり、それらの作品も多数残されています。

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