穢浄(けじょう)

「穢浄(けじょう)とは、家の内外を祓い清め、一年間の罪穢を除いて、清々しく新年を迎えるためになされる行事です。解除と書くのが一般的なようですが、うちでは昔から穢浄という字を当てていました。この行事も代々続いており、いつも来てくださる八幡宮の宮司さまも、親子代々ということになります。
まず、玄関前庭に竹を立てて、湯立ての湯を沸かし、湯立ての神事をし、すべての部屋、釜屋、蔵をお祓いしていただきます。
祭事のあと、湯立ての湯を一族郎党でまわし飲みますが、これを神水をいただくといいます。この神水を入れてある茶碗は、蓋つきのもので、私が子どもの頃から同じ品。別にいわく因縁がある茶碗ではないと思いますが、これでないと落ち着きませんね。
私のところで=一族郎党=というのは、血縁のある家族に、家族と同じような職員たちも含めていいます。彼らもすでに何代もうちでともに働き、苦労してきた人たちなのです。うちの行事のほとんどが、彼らあってこそ続いてきたといえますね」

清められた湯立ての湯は、神事のあとで、一族郎党でひと口ずつまわして飲みます。お祓いのときに塩を使うので、ほんの少し塩気がある神水です。

穢浄は一年の汚れを清める神事です。まず、正面玄関前庭に湯立ての湯を沸かし、玄関入口には祭壇を作ります。祭壇前で宮司さんが祝詞(のりと)を上げ、さらに、家の内外すべて、40室ある絲原家の部屋という部屋、蔵、釜屋まで、あらゆるところをていねいに一つずつまわってお祓いをして清めます。

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