神戸吉兆 1

おせちの概念を覆す——贅を尽くした新鮮美味

湯木貞一氏の父上は、広島の回船問屋「正月屋」の四男でしたが、神戸・花隈で「中現長」という360坪もある料理屋を経営しておられたとのこと。湯木家にとって神戸は特別な場所でもあります。
 昭和46年、湯木氏の四女・義子さんと結婚なさった湯木喜和氏はご夫妻で大阪にあるリーガロイヤルホテル内の「中の志満吉兆」をまかされ、現在は修行より戻られた若主人・奥野尚吾氏とともに、神戸元町、神戸岩屋にそれぞれ店を持ち、吉兆発祥の地・神戸とともに歩まれています。
「神戸店開店のとき、義父(ちち)が短冊に”昔ハ現長なにわでみがかれて今神戸吉兆”と書いてくれました。義父はこのとき、たったひと言だけ「料理は味やで」と教えてくれました」
ホテル内にあるという利点を生かし、元旦からでもおせちを求められるこの店は、味にこだわった新鮮なおせちを提案。生ものもたくさん入った喰い切りのおせちは、二段目に伊勢海老の刺身やトロ、鯛などがたっぷり、五段目には鮮やかな春菜寿司が詰められています。
「最近は、おせちを保存食と考えるかたは少なくなりました。店で召し上がっていただくものを重箱に入れたという感覚の、その日に作ってその日に食べていただく新鮮なおせちがあってもよいのではないでしょうか」
10人分の華やかで豪勢なおせち、正月早々料理屋のご馳走を堪能できる一品です。

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