東京吉兆 1

シャンパンに合わせたい、モダン仕様のおせち

吉兆が東京に出店したのは昭和36年のこと。湯木貞一氏の長女・照子さんがご主人の昭二朗氏とともに育ててきたこの店は、過去3回の東京サミットにおいて迎賓館和風別館を会場に世界の首脳がたに料理だけでなく、掛軸などの室礼に至るまですべてを担当しました。現在は長男・俊治氏と次男・義夫氏も加わり、東京本店のほか、西洋銀座店、帝国ホテル店、正月屋伊勢丹店、歌舞伎座店、味吉兆伊勢丹立川店の六店を数えます。
「祖父の日本料理という一つの伝統を受け継がなくてはという使命感で今日までやってきたという感じです。季節感ということが大切だと教えてくれましたが、ホテルでもテーブル上で季節を演出しようと試みています。祖父は新しい材料を料理に取り入れ、日本料理の門口を広げました。おせちにも登場する南京フォアグラ射込や黒豆のブランデーゼリーなど、当時はユニークだったと思います。
 私は今回、壺中居さんの展覧会で陶器の灰彩象嵌三段重筥に出会い、一の重は伝統的、二の重はニュートラルに、そして三の重は少々遊んでみたのです。ただ単に洋風化するのではなく日本の素材も再発見していくつもりです」
シャンパンはもとより、ワインにも日本酒にも似合う幅広い21世紀のおせち。
吉兆本来の料理や思想を縦糸に、俊治氏らしいしなやかな素材選びや考え方を横糸に織り出した新感覚のおせち。味も盛りつけも吉兆ならではの品です。そして、貞一翁譲りの”おせちは食べやすいように一口で”は確実に受け継がれています。

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