京都吉兆 1

京の素材をふんだんにちりばめた愛らしきお重詰め

嵐山の渡月橋近く、保津川沿いにある昔ながらの門構えのこの店は、日本の伝統文化を継承する京都ならではの趣があります。庭の一本一草にも創業者以来のおもてなしの心が育まれています。
昭和23年、大阪本店のお客さまで、大きな美術商を営んでいた児島嘉助氏の別邸を利用して開店、以後、昭和41年からは湯木貞一氏の次女・準子さんとご主人の現当主・徳岡孝二氏がこの店を取り仕切ってきました。現在は数ある京都吉兆のなかで、嵐山本店は世界に羽ばたく若主人の徳岡邦夫氏が料理長を務めています。
「祖父はお茶の中に含まれている人と人とのおつきあいの妙を大切にしました。また茶道の作法も店の中に生かしてきた人です。祖父のポリシーと情熱を伝えるのが私の役目の一つだと思っています」。シャンパンとの組み合わせで楽しむ宴など、常に斬新な趣向を試みられる若主人。おせちにしても柔軟な発想で取り組み、元朝一人用おせちのアイディアを生み出しました。今回の基本の三段のおせちも伝統の上に立つ個性派です。
「おせちは縁起物です。味や形は吉兆らしく私が受け継いできたものを大事にしています」
世界の味、吉兆を目指す若主人の素材に対する追求は、創業者と同じく海外からのものに加えて、京都独特の野菜や日本全国の土壌に根ざした食材に広がりつつあります。繊細な技で、京都らしい素材を調理したこの店のおせちは、どことなく都(みやこ)風です。

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